額縁仕立ての縫い方

ズボンやスカートの裾、ランチョンマットやコースターの角などお裁縫では角の始末をする場面が出てきます。
生地が何回か重なって厚くなる角はスッキリ仕上げたいですよね。今回は斜めに線が入った縫い方、「額縁仕立て」という方法で角の縫い方を説明します。
主に四角形の小物などにする普通の額縁仕立ての方法と、ズボンやスカートの裾のスリットなどに使う応用編の額縁仕立ての方法の2種類をご紹介します。

額縁仕立て

角に斜めに縫い目の線が入ったプロっぽい仕上げ方です。絵などを入れる額縁のように見えるから「額縁仕立て」という呼び方をされています。

基本の額縁仕立て


基本の額縁仕立てとは、交わる辺の始末と縫い代が同じ長さの場合の縫い方です。ここではどちらの辺も三つ折りにするということで説明します。
文字で書くとややこしいけれど、要するにランチョンマットやコースターなどシンプルな四角形のものを縫う時によく使われるスタンダードな方法です。

まずは角の出来上がり通りに折り、アイロンで型をしっかりつけるために強めにプレスします。

畳んだところを開いてみると、しっかりと折り目の方がついています。

外表にして角を三角形にたたむと、写真のように折り目によって交点がわかります。その交点から直角に定規をあてます。

チャコや後で消えるチャコペンなどを使うと便利ですよ。写真のように線をひき、その線の上を縫います。

縫い残している端は後で辺の内側に折り込む部分になるよ。


余分なところをカットします。まず縫い目と平行に1cmほど残して切ります。そのあとに、交点の縫い目ギリギリのところまでを切り落とします。

① ②のようにカットすることで、縫い代を開くことができます。アイロンでしっかりと押さえてください。

左右の縫い代が開けたら、このようになっています。

角を表に返し、辺の端は内側へ折り返してアイロンで整えます。まつり縫いまたはステッチをかけて端の処理をしたら完成です。

辺の始末の方法と縫い代の長さが違う場合


スカートやパンツのスリットで額縁仕立てにしたいとき、縦方向が三つ折りで横方向(裾)がロックミシンで端の始末をする場合があります。基本の額縁仕立てを理解しているとそんなに難しくはないのですが、少し応用編です。

縦方向の辺を三つ折りにし、横方向の辺(裾)にロックミシンまたはジグザグミシンをかけて端の始末をして、出来上がり線で折ります。

出来上がりを想定して角の斜めになる線を内側へ折り、アイロンでしっかりとプレスして折り目をつけます。

畳んだ角を開くと、折り目がついています。

折ってアイロンでプレスするときに、生地の厚みがあるのでどうしても少しずれてしまいます。本来できるはずの折り目の線は図の赤線のようになります。

折り目の赤線のすぐ横の垂線を挟んで対称になる線(青線)が縫い目となる線です。青線にあたる部分にチャコペンなどで線を引いてください。

青線の内側の頂点を中心にして角を中表に折ります。この時、青線の外側の頂点が縦のラインの三つ折りの折り目とぶつかるところで折ります。

青い線の部分をミシンで縫います。1cmほど縫い代を残して、①をカットし、さきほど頂点にした部分に向かって②をカットします。

不安な人は、縫い代を切ってしまう前にこの縫い目であってるのか確認してね。


縫い代をアイロンで開き、角を整えます。

表に返すとスリット用の額縁仕立ての出来上がり。角は目打ちなどを使ってきっちりと出してくださいね。

いらない布で練習してみてね!

【追記】三つ折りの角をすっきりさせる方法

額縁仕立てが難しくて、普通に三つ折りで角を仕上げたいときもよくあるかと思います。生地の角は、三つ折りを重ねていくと生地がとても厚くなるので、余分なところは切り落としてしまうという方法もあります。

まずは、三つ折りにしたい長さで横方向、縦方向を測って折ります。アイロンでしっかりと押さえましょう。
いったん開くと、折り目の型が図のようについています。

図のように一番隅っこのマス目と、隣接するマス目が折った時に重なる余分な場所になります。ここを切り落としてしまいましょう。
厚みが減って、すっきりとした三つ折りに仕上がりますよ。
図では、縦横の三つ折りの長さが同じだと想定して、正方形のマス目になりましたが、縦横の長さが違うと長方形のマス目になります。でも、切り落とす場所は同じです。

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