コンシールファスナーを綺麗につける方法

スカートの脇やワンピースの後ろについているファスナー、これをコンシールファスナーといいます。英語のconcealとは「隠す」という意味で、表に出ないファスナーのことをコンシールファスナーと呼びます。
今回は、そのコンシールファスナーのつけ方をご説明します。

動画で見るコンシールファスナーのつけ方

Youtubeでコンシールファスナーのつけ方を説明しています。動画のほうがわかりやすいところ、サイトのほうがわかりやすいところがありますのでどちらもご覧くださいね。

コンシールファスナーをつける前の下準備

まずは、生地を中表に合わせます。通常は型紙を裁断したときに、あきどまりの位置に印をつけています。
ファスナーの金具をめいいっぱい上げた時の金具の頂点は、出来上がり線から5mmほど下になります。たいていの場合、その上に小さいホックをファスナーが開かないように縫い付けていますよね。

あきどまりより下は返し縫いをしてふつう通りミシンをかけて縫い合わせます。
あきどまりより上が、実際にファスナーがつく位置なのですがここは後でほどくので5mm間隔くらいの粗い目でミシンをかけておきます。

手縫いでしつけをしてもいいよ。

とりあえずファスナーが閉まった状態を作り出します。

縫い代をアイロンで割って開いておきます。

ファスナーを仮留めする

裏側から見ている状態で、コンシールファスナーを配置します。ファスナーの裏表を間違えないようにしてくださいね。
ファスナーの表側が下になるように置いてね。

ファスナーの先っちょが左右に開こうとしてしまうので、まっすぐつけるためにマチ針などで固定するときれいに仕上がりますよ。

ファスナーの中心と縫い目の中心を合わせて、ファスナーと縫い代だけをマチ針で留めます。
この時に、定規などの薄いものを挟むとやりやすいのですが、表地まで一緒にすくわないようにしてくださいね。

ファスナーと縫い代だけを留めてね。

片側の縫い代をあきどまりの少し下くらいまで留めます。

反対側も同じようにマチ針で留めます。

仕付け糸でしつけします。

面倒でもしつけしたほうが断然きれいに仕上がるよ。

初めに縫った粗目ミシンをほどきます。

表に返してみると、こんな風になっています。
綺麗にファスナーがつく予感がこの時点で沸いてこなければ何かがずれてるかも。ファスナーが斜めに仮留めされてるのかもしれないです。そんなときはやり直したほうがいいみたい。綺麗のコツは「急がばまわれ」だなと洋裁のときは特に思いますね。

丁寧にやったほうが結局早くできるよね。

ファスナーのスライダーを下ろしていき、さらにあきどまりの下まで引き下げましょう。
このファスナーのスライダーの形、こうしてみると先っぽが細くなっていてあきどまりの下をくぐらせやすい形状になっています。よくできてるな~。

ファスナーの形を考えた人、かしこいな~。

アイロンで、ファスナーの務歯(ムシ)をおこします。丸まっているのでまっすぐするというイメージです。アイロンは中温くらいで。あまり温度が高いと溶けてしまうので注意です。

ファスナーを縫う

いよいよ、コンシールファスナーをミシンで縫い付ける作業です。その前に、押さえをコンシールファスナー専用のものにとりかえましょう。

送料はともかく、や、安いです。
ミシンのメーカーによって取り付けられない場合もあるので確認してから買ってくださいね。

このミシン押さえがあると、務歯のきわきわまで縫えるんです。

めっちゃ頻繁に使うわけでもないけど、とっても重宝するスグレモノ。

ファスナーの際と、押さえ金の(押さえプラスティック?)の溝を合わせてまっすぐ縫うだけでファスナーのぎりぎりのところを縫うことができます。

務歯は元の形に丸まろうとしがちなので、目打ちなどで広げながらあきどまりまで縫ってくださいね。

あきどまりより下まで下げておいたスライダーをあきどまりより上に戻します。スライダーの先っぽのとんがりが効いてますね。
ちゃんとスライドするか、いったん確認しておきましょう。

仕上げる

縫い代と、ファスナーの端を縫いとめてから、仕付け糸を抜き去ります。

ファスナーの一番下についている留め具、これは手で簡単にスライドできてしまうんです。
あきどまりより5ミリほど上までスライドさせて、ペンチなどで左右からギュッと握って固定しましょう。

これで、コンシールファスナーが付きました。

実践!見返しのあるコンシールファスナーの付け方

では、もう少し実践的に掘り下げて見返しがある場合のコンシールファスナーの付け方を説明します。
スカートやパンツのウエストや、ワンピースやトップスの後ろ身頃の襟ぐりから下、脇など見返しのある部分からコンシールファスナーがついている場合が多いです。
襟ぐりに見返しがついていて、後ろにコンシールファスナーをつけるトップスを例に解説していきます。

コンシールファスナーをつける


あきどまりから下は普通のミシン目で縫い、あきどまりから上のファスナーがつくところは、粗目ミシンをかけておきます。

出来上がり線よりも5㎜ほど下にコンシールファスナーをめいいっぱい閉めたときの頭がくるように付ける位置を決め、待ち針で固定します。

仕付け糸でコンシールファスナーを留めていきます。この時に、ファスナーの先の余った部分が左右に開くように仕付け糸で留めてよけておいてください。
粗目ミシンをほどきます。粗目ミシンをほどくことでファスナーが開くようになります。

アイロンでコンシールファスナーの務歯を起こします。


コンシールファスナー押さえに付け替えて、ファスナーを縫い付けます。

見返しの処理

ファスナーの先は、写真のようにたたんで折り曲げます。まっすぐに戻ろうとするのですが折り曲がった状態で、縫い代とファスナーの端をミシンで縫い留めます。縫い終わったら仕付け糸を外してください。


写真のような感じで見返しがファスナーの脇を隠すように収まる予定です。

見返しの縫い代と身頃の縫い代を合わせて縫いたいのですが、矢印で示した縫い代同士を指で一緒に挟んでくるっと表に返すと、

こんな風になります。指を押さえたままの状態で待ち針を打つのが理想的ですが、端をぴったりと合わせると余分な生地がだぶつくので、見返し側の縫い代が5㎜ほど飛び出す感じで待ち針を打つと仕上がりが綺麗ですよ。
(生地の厚さにもよるので、必ずしも5㎜というわけではありません。)

縫い代同士を縫い合わせていきます。

見返しを表に返して、アイロンで整えます。

仕上げる


あきどまりより5㎜ほど上までストッパーをスライドさせ、ペンチなどで硬く締めます。

ストッパーをきっちりと締めていれば、コンシールファスナーが長すぎる場合には余分なところをカットしてしまっても大丈夫です。

後ろ身頃にコンシールファスナーがついた状態です。コンシール=隠すという意味通り、ほんとに隠れちゃってどこにファスナーがついているかわかりづらいですが、よーく見てもらうとお分かりいただけるかと思います。

コンシールファスナーの付け方をマスターすれば、スカートやパンツなどいろいろなものが作れるよ。

コンシールファスナーはYKKさんがオススメ☆

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