立体マスクの作り方、ご好評いただいておりとてもたくさんの人が作ってくれているようで嬉しい限りです。
世の中のいろいろなことが変化しつつあり、いつどんな形で収束するのか先行き不透明な中、不安なことやストレスも多いとは思います。そんな中でも立ち止まる時間ができたことで、長年眠っていたミシンを取り出してみたり、小学校で習った家庭科の授業を思い出して裁縫にチャレンジしてみたり、OHARICOサイトを見て自分もマスクを作ってみようかなと思ってくれた人がいて、何か少しでも気持ちが前向きになれるお手伝いができたのならよかったなと思います。
いつでも買うことができたマスクが手に入らなくなった時、ミシンがあってもなくても、布マスクは意外と簡単に作れるので、できることならひとりひとりがマスクを作れるようになってほしいなと思い、OHARICOは型紙の通販サイトではありますが、マスクの型紙を無料公開することにしました。
県庁、公共施設、介護施設、学校などからもお問い合わせがあり、OHARICO型紙の無料配布をしてくださっています。
デニムリメイクで作るマスク
着なくなったジーパンなどデニムで作られたものってお家にあったりしませんか?私もデザインが古くなって着なくなったジーンズが何本かあります。
でも、生地自体は丈夫だし使い込んだ感じもかっこいいので、着ないけどなかなか捨てられない。もう一回デザインの流行がまわってくるんじゃないかと淡い期待をして何年も寝かせてありました。
同じく使わなくなった古い帯と合わせてバッグにリメイクしたので、膝から下部分はバッグになってしまったけどマスクを4枚くらい作る足の部分はまだ残ってました 笑
肌に直接あたる部分は新しいガーゼで、マスクの外側は自分自身の着ていた服なら抵抗はないかな。
型紙は立体マスクの型紙と同じものです。縫い方を変えてフィルターとノーズワイヤーを入れ替えできるようにしました。
ここでは、立体マスクの作り方をベースに、デニムなどの分厚い生地を使ったときの対処法を交えて説明しています。
ノーズワイヤー(テクノロート)も品薄だし価格も高くなっているので、園芸用ビニタイを代用品として使うのをオススメしているのですが、耐久性はやはり本物のノーズワイヤーのほうがあります。
でも、無かったらあるものでなんとかしよう!の精神でビニタイをノーズワイヤーの代わりに使うのですが、ビニタイは中が針金なので長く使うとサビや劣化もします。
じゃあ、マスク側で工夫をしてマスクを洗う時に抜き差しできるようにしておけばビニタイでも十分に役に立つのではないかなと思いました。
ここでは厚手のデニムで作ってみていますが、もちろん普通地でも作ることができますよ。
用意するもの
- 表地:デニムパンツ等 裏地:ガーゼ等
生地の用尺目安
大(36×18cm)、中(34×17cm)、小(30×15cm) - マスク用ゴム
【大・中・小】立体マスクA4 PDF型紙
A4用紙2枚に印刷できます。縦 | 横 | |
---|---|---|
大 | 13.5 | 24 |
中 | 12 | 21 |
小 | 11 | 19 |
ダウンロード | 【大・中・小】立体マスク型紙 A4サイズ |
PDFデータは家庭用プリンターやコンビニ等で簡単に印刷できます。
OHARICOのマスク型紙は、PDFで無料公開しておりますが、どうしても印刷ができない方のために郵送にてお送りしています。
大と・中・小の型紙が1部ずつはいったA4サイズ2枚でお送りします。
メルカリをはじめ、当社サイト以外で販売されているOHARICO型紙やキット、OHARICO型紙を使用したインターネット上での販売物は違法な商品です。ご注意ください。
プリントアウトした【大・中・小】立体マスクA4 型紙
110円(税込)送料別途180円 ※普通郵便での発送となります。
動画で見る作り方
「デニムで作る!フィルターとノーズワイヤーが入れ替えできる立体マスク」の字幕解説付きフルバージョンです。21分20秒あって少し長いので、下記の作り方の説明では動画を分割して掲載しています。作り方を一通り見たい人はまずはこちらの動画をご覧ください。
表地と裏地の準備
曲線部分を縫ってカーブを立体的にする
マスクの生地を裁断します。表地はデニムパンツを表にしたまま裁断するので、生地を切った直後は外側が表になっています。
中表になるように合わせなおしてから、曲線部分を3~4か所マチ針で留めてください。
裏地は中が表になるように折ってから裁断し、そのまま曲線部分を3~4か所マチ針を留めてください。
マチ針で留めた端から1cmのところをそれぞれ縫います。
デニムは普通の生地に比べると分厚いので、厚物が縫えるミシンをお使いください。ここでは、50年以上前の足踏みミシンを使っています。今でも現役バリバリです。
デニムに使う糸はシャッペスパンの#30を使用しています。普通時の糸は#60なので、糸も針も太めのものを使用します。
曲線を上手に縫えない人は、こちらのページの「曲線縫いのコツ」をご一読ください。
カーブの強いところに、縫い目のギリギリまでハサミで縫い代をカットします。
※今回は、縫い目がわかりやすいように糸の色を濃い目の色にしてあります。
縫い代の片側をアイロンをかけて開いていきます。
タオルや使わない布などを丸めて丸めてマスクの形にちょうどいい簡易のアイロン台を作っておきましょう。このアイロン台、マスクをたくさん作るときに便利ですよ。
作っておいた簡易アイロン台にマスクをかぶせて、縫い代を開きながらアイロンをかけます。厚い生地は型がつきにくいのでスチームアイロンか、霧吹きで水を少し吹いてしっかりとアイロンをかけてください。
裏からも表からもアイロンをかけて、マスクの立体的な形を美しく整えてくださいね。
裏地も同様にアイロンで立体的に整えてください。
裏地の端の始末をして表地と縫い合わせる
裏地はガーゼを使用しているので、動画では両面とも白くて少し見えづらくてすみません。
裏地を裏向けにしてから、端を1cm折ってアイロンをかけます。
先ほど折った端をさらに1cm折ってアイロンをかけ、マチ針で留めます。
両端とも同じように三つ折りをしてマチ針で留めたら、端から0.2cmくらいのところを縫います。
表地と裏地を中表になるように合わせて、マチ針で留めます。
マチ針はまずは真ん中の縫い目同士を針で合わせて留め、中心から外側に向かって留めていくと綺麗にできますよ。
上下それぞれの端から1cmのところを縫います。フィルターやワイヤーを出し入れするときに負荷がかかるところになるので、返し縫いをしっかりとしてくださいね。
立体マスクの形を整える
表地と裏地を縫い合わせたら、マスクの上下の縫い目のギリギリまで縫い代をカットします。
アゴ側のカーブのほうが強いので切り込みを少し多くしています。
表地も裏地も中心側の余分な縫い代をカットします。薄い生地同士だったらそれほど気にならないのですが、特にデニムは分厚いので生地が重なる中心部分は丁寧に四角く切り落としています。
鼻側はノーズワイヤーを通すようにしたいので、余分な縫い代はなるべく切り落としておいたほうがスムーズにワイヤーを出し入れしやすいです。
図のように鼻側の縫い代をカットします。ワイヤーの出入り口付近は切らず、中心に近いところをギリギリまで切り落とすようにしています。
横側の開いているところから、マスクを表に返します。
形を整えながら端にアイロンをかけるのですが、裏地が表側から見えないようにするため、裏地を少し(1mm程度)内側にずらします。これを「裏地を控(ひか)える」と言います。
マスクの表地のくびれているところ(大と中は端から3cm、小は端から2.7cmのところ)に切り込みを入れます。縫い代が1cmなので切り込みは0.8cmくらいにしてください。
縫い代は1cmなので、端がまっすぐ合うように1cm折り、マスクの内側からの縫い代は延長線上に折って整えることで、切り込み部分が開きます。
こうすることで角度がついている部分の綺麗なラインが出ます。
ステッチを入れてマスクの形に仕上げる
マスクの上下にステッチを入れます。裏地の端より外側の縫い代も押さえるために切り込みの端から端までを縫います。
鼻側はノーズワイヤーを入れるので端から0.8cm、アゴ側は端から0.5cmのところです。
アゴ側のステッチはしなくてもいいかなと思ったけど、デニムとガーゼの生地の質が違いすぎるので、洗濯を繰り返して使い込んでくると裏地のガーゼが表から見えるようになってくるのでマスクの形を綺麗に保つためにアゴ側にもステッチを入れることにしました。
マスクの端をくびれている部分で折ってアイロンをかけます。(大・中は3cm、小は2.7cm)
折り目をいったん開いて、端を1cm折ってアイロンをかけます。
最初の折り目で折ってマチ針で留めます。折るときに端がきれいにそろわない時は、目打ちなどを使って整えてください。
端から0.2cmの所を縫います。ここがゴム通し口になります。
マスクのゴムを通します。
マスクのゴムがない場合の代用品の作り方や、ゴムの通し方はこちらで詳しく解説しています。
デニムの立体マスクの出来上がり☆
フィルターとノーズワイヤーを入れる
テクノロート4mmのものがあればそれをノーズワイヤーとして使うのがいいですが、園芸用ビニタイを代用品として使います。
端から端まで1本のまま入れてもいいのですがデニムなどの厚い生地だと中央部分でつっかえてしまうので、無理して入れようとするとワイヤーが曲がってしまうし出し入れしにくいので、中央のギリギリまでノーズワイヤーを入れていきます。
※薄い生地同士で作っていたら1本のまま端から端まで通る場合もあるので、スムーズに出し入れできそうであれば切らずに入れてもいいですよ。
後で取り出しやすいように0.5cmほど入り口からはみ出した状態でワイヤーをハサミで切ります。
切り落としたワイヤーを反対側の入り口から入れ、同じようにハサミでカットします。
中央部分ギリギリまでワイヤーが入っているので鼻の形にフィットしやすくなりました。
マスクフィルターの代わりにここではペーパーナプキンを折りたたんで入れてみました。
入り口が少し狭いですが中に入れると広げることができますよ。
反対側からも手を入れられるので、フィルターが中心に来るように整えてください。
これでマスクフィルターとノーズワイヤーの入れ替えができるマスクの出来上がり☆
長文になりますがお許しください
atsucoさんのページのおかげで、創作意欲も刺激され、楽しく、工夫脳も使いました
型紙の無償公開、本当にありがとうございます
手持ちの布は、ジーンズ地や薄めのサテン地、着なくなったシャツやワンピース
不織布の接着芯で薄い布や目の粗い布は不織布素材の接着芯をアイロンで
貼り付け薄さと密度を補いかつ、3層や4層構造にできるので安心感も増しますし
貼り付けて一緒に縫うのではがれることも少なくなります
atsucoさんの型紙で自分の顔の形にカーブの部分をアレンジし
たくさん作りました
手持ちの布や洋風服だと自分の服にも合うものが多いので
コーディネートしやすく、気持ちも上がります
デニムのマスクは特にお気に入りでプリーツマスも作りました
これでマスクあるなし問題、2枚騒動の騒ぎには巻き込まれずに済みますし
終息後、インフルのような風土になり、再発生のシーズンが到来しても
自作マスクのおかげで、長期になったとしてもこれで心配も解消されます
ノーズワイヤー問題ですが
今までは使い捨てマスクを分解し
造形材用材料 の 「コテイシーナTP」 という形状保持樹脂が売っています
本来は立体テープ文字を作ったり、立体物で可動するものの芯材に使用するものですが
3.6サイズのものを縦に半分(2ミリ前後になります)にし、マスクの幅に合わせてカットし、
両サイドは、布地の突き抜け等を防止するために角を丸くするため、ライターで軽くあぶって使用しています
顔の形にらくに成形でき、ぴったりフィットします、たくさん作れるのでコスパもいいですし、
何より洗ってもさびの心配がないところがいいです お勧めです
自分の分が確保できた後、残りは親戚や友人に配っています
私は、マスクの上下を縫い合わせた後、上の縫い代の所に挟み落っこちたりしないように
縫い閉じてからひっくり返して、次の工程に進んでいます
—-ここからはカテゴリー違いになってしまうと思うのですが、お許しください—
眼鏡かけている人眼鏡曇る問題と
フィルターがマスクからこんにちはしてしまう問題
以前マスクの紐の代用でエアリズムを使いましたと投稿しました
長時間つけても耳が痛くならないし、伸縮性もよいし
消臭、抗菌防臭、ストレッチ性、さらっとして柔らかな肌触り、保湿成分もあり、放熱もする
毛玉もできない
友人や親せきにあげてもまだ潤沢にある…
この特性を生かし、更なる問題解決をと…
マスクの内側にこの紐を3本付けました
・眼鏡曇る問題
1.横方向の紐(1本15㎝ぐらい)
マスクを付けてもメガネが曇らない方法(警視庁の裏技)のにプラス
マスクの内側に四つ折りにしたたティッシュを添える
↑これを落ちてこないように紐を渡し、そこにかけてしまう
プリーツマスクの場合上から1センチの所に横に渡したアエリズム紐(15㎝)を
マスクの端を縫う前に入れ込んで縫う
次に
2.縦方向の紐(2本、10㎝ぐらい)
ゴム通し口を含まない端から2㎝ぐらいの所に
エアリズム紐10㎝ぐらいをピンと張らずに
1.の横紐が下に重なるようにして
表から見えないように縫い付ける
・マスクからこんにちは問題
エアリズム紐の下にマスクフィルター、キッチンペーパー、ティッシュを
挟めば、気づかないうちにこんにちはしたり
何かの際にポトッと落ちることも格段に減ります
(数回の通院や買い物で実験済み)
ほかの伸縮性のある紐でも可ですが、
不思議と顔に当たる違和感がほかの素材より少ないです
手持ちの布マスクにも縫い付け可能です
(鼻ティッシュを付ける場合はマスク装着前の一番最後に
横紐に厚折りしたものをタオルを干すようにかけてくださいね
出ないと曇りますW)
これで少しでも皆様の心配事が減りますように
助さん
すごい!たくさんの情報ありがとうございます。
わたしも知らないことがあって勉強になります。
創作意欲の刺激と工夫脳いいですね!
ノーズワイヤーの代用品「コテイシーナTP」さっそく調べました。とっても良さそう。
助さんのコメントを読んでいろんな問題が解決する人もいると思うので、私も嬉しいです。
ありがとうございます☆
長文と誤字脱字失礼いたしました
同じ型紙で、ノーズワイヤーとフィルターが付くなんて、脱帽です。
布マスクの弱点を克服したら、使い捨てマスクに戻れなくなりそうです。
ミシンのない手縫い派にはハードルが少し高そうですが、愛着の湧く自分だけのマスクにチャレンジしてみます。
お髭犬さん
いつもありがとうございます。
不織布マスクだとメガネをかけたときに曇るし、肌触りも布マスクのほうが心地いいですもんね。布マスク愛好家さんも増えるのじゃないでしょうか。私も病院に行くときに使い捨てマスクをするくらいで、普段は布マスクです。
フィルターを入れられるマスクは普通の立体マスクと比べて縫うところが少し増えるので、手縫いだと大変だと思いますが、じっくりゆっくり作ってみてください。
先日、シンプルな立体マスクを作り地域に寄付しました。とても丁寧に作り方を教えていただき、ありがとうございました。
今度は夏に向けて保冷剤を入れられるマスクの作り方を検索して、再びこちらにたどり着きました。
6cm✕6cm(20g)の保冷剤を左右に1つずつ入れたいと思うのですが、入りそうでしょうか?前回作成した分が手元に残っていないので確認出来ずにいます…。
Mrs.a.さん
夏用のマスクの暑さ対策も考えないといけないですね。
手元に同じ大きさの保冷剤がないので試してみることができなかったですが、OHARICOの立体マスクは先が細いので大サイズでも、6cmだとギリギリです。
保冷材の厚みを考えるとそのままスムーズに入れるのは難しいと思います。保冷剤をもっと小さいものにするか、裏地の端の三つ折りの幅を広くして入り口を広げる、保冷材の大きさに合わせたポケットをつけるなど工夫が必要ですね。