襟ぐりや袖ぐりなど洋服のパーツでよくあるカーブ。曲線を縫うのって難しそうだから「直線縫いだけでできる服」を作ろうとする方にぜひチャレンジしてもらいたいです。曲線縫いのコツがわかれば作れる洋服の幅が広がりますよ。また、ミシンの基本となる直線縫いのコツについても動画を交えて説明しています。
まっすぐ縫うコツ
曲線を縫う前に、まずはミシンでまっすぐ縫うコツをおさえておきましょう。
- きっちりと裁断をする
- ミシンの針の前に座る
- 振り幅を調整し、縫う時に針先を見つめない
- 生地の滑りの具合を確認する
きっちりと裁断をする
生地を裁断するときにオススメの方法は、カッティングマットの上に生地と型紙を置き、ロータリーカッターで裁断する方法です。
一般的には生地の上に型紙を置き、マチ針で型紙を留めてハサミで切る方も多いと思いますが、切るときに生地が持ち上がることやハサミの厚みで縫い代が太くなってしまいがちです。また、型紙自体にも穴がたくさん開いてしまいます。
ですが、洋裁をするスペースの問題やカッティングマットの大きさによっては一般的な方法でないと裁断できない場合もありますので環境に合わせて使い分けてください。
オススメの方法での洋裁道具をご紹介します。
小物づくりから洋服などの大物まで、6個くらいあると便利。
洋服などの裁断にはこれくらいの広さが欲しいところです。あったらとても裁断しやすいですがスペースの問題もあるので洋裁スペースの広さに合わせてお選びください。
ミシンの針の前に座る
ミシンの形は中心よりも左寄りに針がありますよね。ミシンの前に腰掛ける時、この針の前に体の中心がくるように座ってください。針を斜めからみてしまうように座ってしまうと縫い目がブレてしまいます。正しい位置に座るだけでも縫いやすくなり、縫い目のゆがみがなくなってきますよ。
振り幅を調整し、縫う時に針先を見つめない
上の動画を見てもらったほうがわかりやすいと思いますが、針の先から押さえ金の端などの距離をミシンの「振り幅」で設定しておくと、生地に縫い代の印をつけなくてもまっすぐに縫うことができます。
人は動くものをつい見つめてしまう習性があります。ミシンで縫っているとつい針先を見つめてしまいがちですが、針は上下に動くので、視線とともに縫い目がブレて行きがちです。
この写真でいうと、生地の端にあたるピンクの線を縫い進めながら見てください。
綺麗に縫うには、針先から生地の端までの距離(黄色い線)が安定して同じ長さで縫えているのが理想なので、常にこの距離が一定であることを意識しながら生地の端をチェックしながら縫うのが、綺麗に縫えるコツです。

生地の滑りの具合を確認する
生地には縫いやすいものと縫いにくいものがあります。この差は生地の滑り具合で決まるといってもいいくらいです。厚手の生地は抑え圧を弱めにしてなめらかに生地が滑るように、本番の生地のハギレを使って試し縫いをしながら調整しましょう。薄手の生地は形が歪みやすいので生地の下にトレーシングペーパーを敷いて一緒に縫ってからあとではがすという方法もあります。
初心者のうちは普通地でさらっとしたコットンやポリエステルなどの生地が縫いやすいですよ。
ラミネートの生地を縫う時は、生地がひっついて前に進みにくいのでミシン用のシリコンスプレーを使うとスルスルと滑りが良くなります。
曲線縫いのコツ
一見、縫うのが難しく感じるかもしれないですが曲線は縫い方よりも、仕上げ方を丁寧にすればとっても綺麗な曲線が描けるんです。
理屈さえわかれば意外と簡単。曲線縫いで挫折してしまった方もぜひトライしてみて欲しいです。

待ち針で身頃と見返しを中表で合わせていきます。
そして、端から1cmのところを縫っていきます。
直線縫いのコツは、はじめに針先と生地の端の距離が1cmであることを確認して、生地の端を見つめながらその分量が一定になるように保って縫えば綺麗に縫えます。
針先を見ながら縫おうとするので上下の動きにつられて目線がぐらついてガタガタ動いてしまうんです。だから、生地の端を見つめながら「1cmの距離」を常に意識していると意外と綺麗に縫えるんですよ。


曲線が縫えたら、ところどころ切り込みをいれていきます。カーブがきつい(円形に近い)と切り込む数は多めに、ゆるやか(直線に近い)だと少なめで大丈夫。直線だと切り込みはいれないですよね。
曲線に縫うと縫い代が引っ張られて足りないので、切ることで広げてあげるといった感じです。

アイロンで整えてカーブの丸みをつけます。そう!結局ここがカーブの決め手になるので曲線の縫い目が多少ガタガタでも心配いらないんです。このアイロンで綺麗にカーブをだせればいいんです。

折るときは表側になるほうを上にして置いて、縫い目が1~2mm控えられるようにアイロンをかけます。
アイロンができたら見返しを表にひっくり返します。さっきのアイロンで、表側は1~2mm縫い目が控えられた状態で折れていて、裏側は逆向きに折れているのでさらにアイロンで整えます。
曲線のラインが綺麗に整いました。必要であれば表側から端2mmほどでステッチをかけると落ち着きます。こういうステッチのことをコバステッチとか端ミシンといいます。
これで綺麗な曲線のできあがりです。
袖ぐり、襟ぐりなど曲線はベーシックな服作りのパーツに欠かせないもの。難しく考えずにやってみてください。

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